オールスター映画だが

録画していた『日本暗殺秘録』(1969年/監督:中島貞夫)を観る。血盟団事件を中心に、東映オールスターによる桜田門外の変から二・二六事件までを描いたオムニバス映画です。

井伊大老暗殺の桜田門外の変(有村次左衛門役で若山富三郎が出演)、大久保利通暗殺の紀尾井町坂の変(島田一郎役で唐十郎が出演)、大隈重信遭難事件(来島恒喜役で吉田輝雄が出演)、星亨暗殺事件、安田善次郎暗殺事件(朝日平吾役で菅原文太が出演)、ギロチン社事件(古田大二郎役で高橋長英が出演)がハイライト的に紹介され、メインの血盟団事件となります。

血盟団事件は、井上日召片岡千恵蔵)の思想に共鳴して井上準之助を暗殺した小沼正(千葉真一)が、社会の矛盾に怒りを覚え、テロリストとなる過程を克明に描写。藤純子田宮二郎三益愛子小池朝雄・桜町弘子・近藤正臣などが出演しています。そして、血盟団事件の後、相沢事件(相沢三郎役で高倉健が出演)、二・二六事件磯部浅一役で鶴田浩二が出演)とハイライトシーンが続きます。

学生時代の3本立て映画館で観て以来の再見。ハイライト部分は殆ど忘れており、憶えていたのは、健さんが「天誅!」といって永田鉄山を斬殺するところだけ。本来は血盟団事件だけの映画にするつもりが、大川社長の命令でオールスター映画になったとのこと。公開に間に合わせるために血盟団事件以外はスターの顔見せだけになりました。70年安保と重なって、学生たちには好評でしたな。極右と極左は、似ているんですよォ。

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