今週は日本侠客伝

録画していた『日本侠客伝・浪花編』(1965年/監督:マキノ雅広)を観る。大阪港の荷受業をめぐって堅気の運送屋とヤクザの運送屋との対立を描いた任侠映画です。

事故で死んだ弟の遺骨を受け取りに大阪にやってきた藤川(高倉健)は、弟が働いていた浪花運送を訪ねますが、その非道ぶりに憤慨。仲仕の虎松(長門裕之)から浪花運送はヤクザの新沢一家が経営していることを知らされます。新沢(大友柳太朗)は子分の黒木(天津敏)を浪花運送の社長にして大阪港の荷受けを独占しよう計画。藤川は仲仕のために真っ当な荷受けをしている半田(内田朝雄)と組長・和田島(村田英雄)と知りあい、半田組で働きます。半田組と新沢組が対立している中、和田島の友人で新沢組の代貸し・冬村(鶴田浩二)が出所し……

“日本侠客伝”シリーズは11作品あり、9本をマキノ雅広が監督しています。東映ヤクザ路線の隆盛をもたらしたシリーズなんですが、私は半分近くを観ていないんですよ。リアルタイムでは時期が早すぎたからなんですが、後年になっても観る機会がなかったからです。第1作の『日本侠客伝』は、ずっと後になって観賞。

でもって本作ですが、シリーズ第2作目で、高倉健と露店の娘・入江若葉長門裕之と女郎の八千草薫、半田の息子・里見浩太朗と芸者の五月みどり鶴田浩二と親分の愛人で女郎屋の女将をしている昔の恋人・南田洋子との恋模様を絡ませ、悪計に失敗した悪党(大友柳太朗はこの時期、悪役が多いですが憎たらしさが今イチ)が村田英雄を殺したことから、鶴田と健さんが殴り込みという定型パターン。大友柳太朗、里見浩太朗入江若葉八千草薫といった顔ぶれは後年の任侠映画とは趣が違います。多彩な登場人物を、見事に整理し、ダレることなく展開するマキノ雅広の演出はさすがで~す。

f:id:nostalji:20210314123141j:plain