異常性愛3本立て

録画していた『残酷異常虐待物語 元禄女系図』(1969年/監督:石井輝男)を観る。医者をストーリーテラーにした3編からなるオムニバス官能時代劇です。

おいとの巻

遊び人の半次(山本豊三)に騙され、おいと(橘ますみ)は吉原の女郎に転落。やがて、ある御大尽(上田吉二郎)の寵愛を受けますが、半次を忘れられず、吉原から脱走。捕まったおいとは拷問を受け、医師・玄達(吉田輝雄)のもとへ運ばれますが……

おちせの巻

豪商の娘・おちせ(葵三津子)は、下賤な男や奇形の者との情事にふけっており、おちせを愛する手代の長吉(石浜朗)は医師・玄達に治療を依頼。催眠療法により、おちせの性癖が顔のただれた片目の男(沢彰謙)に犯されたことによるものとわかった長吉は……

おみつの巻

好色な藩主・正親(小池朝雄)は、新参の愛妾・おみつ(尾花ミキ)と異常な愛の行為に没頭。お紺の方(賀川雪絵)は犬との獣姦をしているところを正親の見つかり、全身に金粉を塗られます。お紺の方は、一世一代の趣向を正親に披露すると言い逃れ、医師・玄達に人体解剖の機会をあたえると誘い……

土方巽が踊るタイトルバックはケレン味たっぷり。タイトルだけで内容を象徴しており、エログロだらけの石井ワールドが展開。吉原の花魁役でカルーセル麻紀が出演しているんですが、石井監督の要求にはマイッタらしく、以後の石井作品への出演は断ったそうです。3編のうち、一番面白かったのが「おみつの巻」ね。小池朝雄が圧倒的存在感をもっており、可笑しさを通り越して凄さを感じましたよ。良識ある人には悪評作品ですが、映画好きには何か惹きつけるものがありま~す。

f:id:nostalji:20210326121501j:plain