最後は

風野真知雄:著の『ニコライ盗撮』(角川文庫:2015年4月25日初版発行)を読了。元幕臣北辰一刀流麒麟児と呼ばれた“剣豪写真師・志村悠之介”シリーズ3作目で、最終作です。

ロシアの皇太子ニコライが来日することになり、悠之介は『鹿鳴館盗撮』で親しくなった首相の伊藤博文からロシア艦隊の盗撮を依頼されます。その頃、巷では西郷隆盛が軍艦・畝傍に乗ってロシアから帰ってくるという噂が流布。軍艦・畝傍はフランスで建造され日本へ回航中に行方不明になった軍艦で、西郷隆盛は城山で死なずにロシアへ行ったというのね。伊藤に依頼されたのと同時に、西郷従道からも浅草で西郷隆盛に似た人物が目撃されたので調べて欲しいという依頼を受けます。『西郷盗撮』で撮った西郷隆盛の写真を、妻の小夜が持ち出し……

ニコライが大津で警備の津田巡査に斬りつけられた大津事件の謎をからめて、当時の日本の情勢を描いています。怪しげな人物や、政府の陰謀に関する伏線の張り方など、時代小説というよりミステリー小説の面白さで~す。

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