週に1度は西部劇

録画していた西部劇『ネバダ・スミス』(1966年/監督:ヘンリー・ハサウェイ)を観る。両親を殺された男の復讐物語です。

両親を3人の無法者に殺されたマックス(スティーブ・マックィーン)は、復讐のために旅立ち、ガンスミス(銃の販売・整備・修理などを行う職人)のジョナス・コード(ブライアン・キース)と知りあいます。彼に銃の手ほどきを受け、町から町をめぐり歩き、ついに無法者の一人ジェシーマーティン・ランドー)を発見。

壮絶な死闘の末、ジェシーを倒しますがマックスも傷を負います。マックスの母がカイオワ・インディアンだったことから、カイオワのインディアン娘ニーサ(ジャネット・マーゴリン)に連れられてカイオワの部落へ。傷の養生をしているうちにニーサと愛しあうようになるんですが、二人目の仇がフロリダの囚人キャンプにいることがわかり、銀行強盗をしてわざと捕まります。囚人キャンプで目指す仇ビル(アーサー・ケネディ)を見つけ、脱走に誘って殺します。脱走の手伝いをするのが、農奴の娘ピラー(スザンヌ・プレシェット)ね。ピラーは脱走の途中で毒蛇に噛まれて死にます。スザンヌ・プレシェットには珍しい汚れ役でした。

最後の一人トム(カール・マルデン)にはネバダ・スミスと名乗って近づき、仲間二人が殺されて恐怖の影におびえていたトムの両足をなぶるように撃ちぬきます。そして、神父(ラフ・バローネ)の言葉が脳裏によみがえり、トムを殺さずに何処へともなく立ち去るのです。

原作はハロルド・ロビンスの『大いなる野望』の中に出てくるネバダ・スミスの物語。『大いなる野望』も映画化されていて、主人公はジョナス・コードの息子で、ネバダ・スミスは主人公のお守役的存在でした。ネバダ・スミスを演じたのはアラン・ラッド。ラッドが再演する予定が、年齢的な問題もあってマックィーンに変更になりました。家を焼き、仇を追う旅で失敗し、ジョナス・コードに世渡りの術を学ぶ前半部分はアラン・ラッドでは無理がありますからね。

世間知らずで字も読めない若者が一人前になっていく前半、過酷な囚人キャンプから憎い相手と脱獄する中半、銃撃戦をメインにおいた西部劇タッチの後半と、ハサウェイの演出は目先を変えて楽しませてくれます。欲張りすぎて少し冗漫なところはありますが、現在の視点で観ても古臭さを感じませ~ん。

画像は、スティーブ・マックィーンスザンヌ・プレシェット。

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