ユニークついでに

録画していた『昔話法廷』の「三匹のこぶた」「アリとキリギリス」「浦島太郎」「ブレーメンの音楽隊」「赤ずきん」「桃太郎」を観る。“昔話の主人公が訴えられたら…?”という設定で作られた15~30分の法廷ドラマです。このドラマの特徴は判決が出る直前で終わること。視聴者はドラマに登場する裁判員と同じように、登場人物の言い分をもとに、“争点は何か?”“なぜ被告人は罪をおかしたのか?”“証言は信用に足るのか?”を考えて、自分なりの判決を考えるんですな。考える力を養う、いかにもEテレらしい番組です。

それと、知っているつもりでも知らないことが結構ありました。「三匹のこぶた」では、狼が煙突から忍び込もうとして煮えたぎる鍋に落ちて死ぬこととか、「赤ずきん」では、猟師に助け出された赤ずきんが、狼の腹に石を詰めて殺すこととかね。狼は猟師に腹を裂かれて死んだものと思っていました。ドラマにするための脚本家の創作なら、昔話を変えてしまうのは問題です。「ブレーメンの音楽隊」は、この齢になるまで私の知らない昔話。

でもって、最新作の「桃太郎」ですが、桃太郎(仲野太賀)は、鬼ヶ島に押し入り、鬼たちを殺傷し、財産を奪い取ったという強盗殺人罪に問われます。検察(天海祐希)側の証人として殺された鬼の妻(仲里依紗)、弁護(佐藤浩市)側の証人として桃太郎のおばあさん(白石加代子)、他にも犬などが証人。裁判員恒松祐里)と同じ目線にたち、大胆な解釈を加えた昔話からネット社会や差別といった問題を視聴者に考えさせるようにしていま~す。

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