本日も

DVD『夕日と拳銃』の第6~8回を観る。

伊達麟之介(工藤堅太郎)は逸見六郎(小松方正)と、満州に渡ります。関東軍の海江田参謀(藤岡重慶)に教えられた満蒙開拓団の雪斎老人(吉田義夫)を訪ねる途中で、野盗に襲われている農夫の父と娘(藤江リカ)を助けます。野盗の正体は、年貢を取り立てるために奉天軍閥張作霖が雇ったならず者。満州の発展は豊かな土地にすることという雪斎老人に感化された麟之介は、逸見とともに雪斎老人の許で働きます。しかし、農民から搾取する張作霖を倒さねばならないという浅井天涯(南道郎)が現れ、麟之介は張作霖に会いに単身奉天へ。張作霖は不在で、息子の張学良(城所英夫)との会談は物別れに終わります。張作霖に雇われている馬賊の九曜山(江見俊太郎)は麟之介を気に入り、二人は信頼関係になりますが……(第6回)

麟之介は、満州独立を掲げるパプチャップ将軍(冬木喬三)の軍に加わりますが、張作霖の大軍の前にパプチャップ軍は壊滅。しかし、張作霖軍との戦いにおいて麟之介は勇名をはせ、馬賊仲間に名前が知れ渡ります。その頃、奉天にやって来た綾子(扇千景)は、麟之介の安否を知るために、かつて東京で山岡家が世話をした張学良を訪問。幼い娘チチクに会いたがっている瀕死のパプチャップを連れた麟之介の前に九曜山が現れ、麟之介は逸見にパプチャップを託し、九曜山と行動を共にします。パプチャップが亡くなり、逸見はチチクを連れて奉天へ。そこで、逸見は日本料理店をしているおこう(今井和子)と再会します。逸見は、綾子に麟之介が無事でいることを告げ、綾子から手紙を預かりますが……(第7回)

九曜山の客分として行動を共にしている麟之介に、九曜山の妹アロン(嘉手名清美)が恋します。麟之介は逸見と再会。綾子がパリに行ったことを知ります。九曜山は吉林省で最大の馬賊となりますが、麟之介を狙う張学良の探索が身近に迫り、麟之介は九曜山と手を切ることを決心。アロンは麟之介に捨てられたと思い、銃をむけます……(第8回)

当時の満州情勢を知っていないと、麟之介の行動が解かりづらいですね。当時の満州は、日露戦争の勝利で日本が権益を得ます。それで、麟之介のように満州で一旗揚げようとする日本人が増えるんですな。しかし、清朝に統治能力はなく、軍閥が徴税権を持っていました。治安は悪く匪賊(野盗)が跋扈。農民の自警組織から生まれた馬賊が、匪賊や地主・軍閥の搾取から農民を守ります。馬賊は縄張りを持っており、ヤクザに似たところがありますね。馬賊たちの縄張り争いは日常茶飯事。日本人の保護を名目に駐留している関東軍は、軍閥馬賊を利用して満州を支配しようとしています。そうした状況の中で、麟之介は満州が独立するにはどうすればよいかを考えているんです。

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