もっと古い作品だが

録画したままだった『刑事マディガン』(1968年/監督:ドン・シーゲル)を観る。リアルタイムで観た時、後味の悪い結末で、なかなか再見する気が起きなかった作品です。

ニューヨーク市警のマディガン(リチャード・ウィドマーク)とボナーロ(ハリー・ガーディノ)は、事情聴取しようとしたギャングのベネシュ(スティーブ・イーナット)に、ちょっとした油断から拳銃まで奪われて逃げられます。警察に戻ったマディガンは、ベネシュが殺人犯であることを事前に知らされなかったことに憤慨。ラッセル本部長(ヘンリー・フォンダ)から72時間以内に拳銃を取り戻すように厳命を受けたマディガンとボナーロは……

マディガンとボナーロの捜査活動だけでなく、清濁併せ吞むマディガンの私生活や、人妻(スーザン・クラーク)との情事が清算できないでいるラッセルと収賄がばれかけている親友のケーン署長(ジェームズ・ホイットモア)との友情が並行して描かれています。多角的視点は面白いのですが、そのためドラマ展開は鈍いものになり、ドン・シーゲルの良さが出ていません。場面を盛り上げるドン・コスタの音楽はグッド。ニューヨークの街並みをとらえる映像もグッドで、総合的には出来のよい作品で~す。

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 いかにも60年代の刑事といったスタイルで、郷愁を感じますよ。