週末は大作映画

録画していた『天地創造』(1966年/監督:ジョン・ヒューストン)を観る。公開当時、黛敏郎が音楽を担当したことで話題になった作品で、私はリアルタイムで観ておらず、ずっと以前に洋画劇場で観て以来の再見です。

天地創造に始まり、善悪の知識を得る禁断の木の実を食べてエデンの園を追放されたアダム(マイケル・パークス)とイブ(ウラ・ベルグリッド)の息子カイン(リチャード・ハリス)とアベルフランコ・ネロ)の兄弟争いがこの世に悪をもたらし、腐敗した人間社会をなげく神が無垢の動物だけを救おうと、信仰厚いノア(ジョン・ヒューストン)に箱舟を作るように告げてノアの家族だけが助かります。ノアの子孫であるニムロデ王(スティーブン・ボイド)は傲慢で、神に近づこうとバベルの塔を建てますが神の怒りにふれて崩壊。

インターミッションの後は、アブラハム(ジョージ・C・スコット)の物語。バベルの塔で神の怒りにふれた人間は世界中に散らばって言語や肌の色を異にするようになり、その中からアブラハムが神に選ばれて弟のロト(ガブリエル・フェルゼッティ)と現在のイスラエルの地を目指します。カナンの地にたどり着いたアブラハムとロトですが、アブラハムとロトの互いの部下が反目しあったことからロトはソドムの町に移住。年月が過ぎ、アブラハムの前に神の使途(ピーター・オトゥール)が現れ、長年子どもを授からなかった妻のサラ(エヴァ・ガードナー)が息子を生むこと、これから背徳の町ソドムとゴモラを滅ぼすことを告げます。ソドムを訪れた神の使途は、ロトに家族を連れて逃げるように伝え、町を破壊。何があっても振り返るなという警告をされたにもかかわらず、ロトの妻は振り返って塩の柱になります。神の約束通り、アブラハムに息子イサクが誕生。イサクが少年となった頃、神はアブラハムにイサクを生贄として捧げるように命令します。アブラハムは悩んだあげくイサクを生贄にしようとしますが、神はアブラハムの信仰心を確信し、イサクを助け、アブラハムの子孫たちが増えていくことを約束。

旧約聖書の「創生期」1章の天地創造から22章のイサクの生贄までを映画化。その後は、モーゼの十戒ジェリコの城壁→サムソンとデリラダビデとゴライアス→ソロモンとシバの女王へと続いていくわけです。

旧約聖書をなぞっただけの大味な作品ですが、豪華なキャストと物量で見せてくれて入門書には最適。イスラム教徒やキリスト教徒の神に対する考えの参考になります。ちなみ、劇中に出てくる神の声は、監督のジョン・ヒューストンで~す。

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