久しぶりの読書

澤宮優:著、平野恵理子:イラストの『イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑』(角川文庫:2021年2月25日初版発行)を読了。取り上げている仕事は全部で115。専門職はいなくなっても、屋根葺きや紙漉きなど仕事として残っているものや、質屋や下宿屋など形をかえて残っているもの、駄菓子屋やカフェ(純喫茶)など少なくなったが残っているものも入っています。

消えた仕事の殆どが省力化や機械化など合理化によるもので、バスガールやタイピスト、電話交換手など女性の仕事が多いですね。公娼(売春禁止法ができて消滅)やパンパン(進駐軍兵士がいなくなって消滅)はなくなりましたが、現在でもそれに似たようなことをしている女性はいますな。

私が子供の頃、誰もが利用していて、現在では消えてしまったのが、紙芝居屋や貸本屋ね。紙芝居屋は、夕方になると神社や広場に拍子木を叩いてやってきます。自転車の荷台に紙芝居の箱を積み、箱の抽斗には飴や菓子が入っていて、上演前に飴や菓子を販売。水飴を真っ白になるまでコネくりまわし、紙芝居屋のオジさんのセリフまわしを聞き入ったものですよ。

娯楽が少なかった昭和20年代半ばから30年代前半に子供たちのマンガ需要に応えてのが貸本屋。マンガ月刊誌が次々に発刊され、各誌に人気マンガが登場。購読するには小遣いが足らず、借りたら購読代金相当で12~15回は読めました。本誌と付録は分かれていたので、6~7冊は読める勘定。一般書店では販売していない貸本漫画も魅力的で、貸本漫画から多くの有能マンガ家が出現。日本が誇るマンガ文化に貸本屋が貢献したのは間違いありませ~ん。

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