週末は大作映画

録画していた『クレオパトラ』(1963年/監督:ジョゼフ・マンキーウィッツ)を観る。プルタークの英雄伝、スウィトーニアスやアピアーノスの歴史書、フランツェロの小説などをもとに脚本化したクレオパトラ伝説です。リアルタイムで、劇場で観て以来の再見。

政敵ポンペイウスを追ってエジプトにきたシーザー(レックス・ハリソン)でしたが、ポンペイウスはエジプト王プトレマイオス13世によって無惨に暗殺されています。王宮から追放されていた王の姉クレオパトラエリザベス・テイラー)は、密かにシーザーと面談。シーザーはクレオパトラの知性と美貌の虜になり、プトレマイオス13世を倒してクレオパトラを女王につけます。ローマに凱旋帰国したシーザーは権力を強化。クレオパトラをローマに呼び寄せます。独裁化していくシーザーへの反発は強く、ブルータスたちはシーザーを暗殺。クレオパトラがエジプトに戻って数年が経ち、ブルータスを討ってローマの権力者の一人となったアントニーリチャード・バートン)がクレオパトラの前に現れます。二人はたちまち激しい恋に落ち、アントニーがローマの領土をクレオパトラに譲ると約束したことから、ローマの元老院を仕切るオクタビアヌスロディ・マクドウォール)はアントニー討伐命令を出し……

244分(序曲・休憩時間含む)の超大作です。1960年に製作開始されましたが、途中でロケ地選択の失敗によるセットの造り直しや配役の変更などもあって何度も撮り直し。豪華な衣装にセット、二十数万人のエキストラなどで最終的に製作費は4400万ドル(現在価値で3億ドル以上)となり、20世紀フォックスを経営危機に陥れました。マスコミや映画批評家からはゴシップ先行(テイラーとバートンの不倫恋愛)の作品と酷評。だけど、ハリウッド黄金時代を満喫できる、映画史上、最も贅沢に金を費った作品であることは間違いありませ~ん。

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