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半藤一利秦郁彦・原剛・松本健一戸高一成の対談集『徹底検証 日清・日露戦争』(文春新書:2011年10月20日第1刷発行)を読了。

第1章:国民戦争としての日清戦争、第2章:日露戦争への道、第3章:鴨緑江の戦いから黄海海戦へ、第4章:遼陽・二百三高地の死闘、第5章:陸上決戦の地・奉天へ、第6章:日本海海戦の真実、という構成で、明治期の陸・海軍、歴史に精通した5人が、日清・日露両戦役について意見を戦わせ、作戦を検証し、司令官・参謀たちの知られざるエピソードを披露しています。

日清・日露戦争から教えられることは、歴史的真実を隠蔽して、美談ばかりが作り出されたこと。新東宝映画『明治天皇と日露大戦争』を想い出しましたよ。あまりに見事に勝ってしまった為に、神話がどんどん膨らんでいきました。負けた時の分析はしっかり行われるのですが、勝った時はないがしろにされがちです。相手のミスによる勝利だったのに、精神力の勝利なんて言っちまったら最悪。日本人は精神論に弱いところがありますからねェ。戦争では様々なことが発生し、徹底検証することで想定する力が養われるのですが、日本の政治家に欠けているのは、徹底した検証力とそれに伴う想定力で~す。

画像は、『明治天皇と日露大戦争』のポスター。

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