本格SF

録画していた『クラウドアトラス』(2012年/監督:ラナ・ウォシャウスキー)を観る。デヴィッド・ミッチェルの小説を映画化したSF叙事詩です。

隻眼の老人(トム・ハンクス)が時空を超えた数奇な物語を語るところから始まります。それは、1849年の波乱に満ちた航海の物語、1931年の幻の名曲誕生秘話、1973年の巨大企業の陰謀、2012年のある編集者の大脱走、2144年の伝説のクローン少女と革命、2321年の崩壊した地球での戦いからなり、個々の物語がシンクロしながら同時に展開。各時代の主人公、弁護士ユーイング(ジム・スタージェス)・音楽青年フロビシャー(ベン・ウィショー)・ジャーナリストのレイ(ハル・ベリー)・編集者ガヴェンディッシュ(ブロード・ベント)・クローン少女ソンミ(ペ・ドゥナ)・ザックリー(トム・ハンクス)には彗星型の痣があって物語の連環を示しています。

トム・ハンクスを初め、主要キャストは役を変え、メイキャップを変えて複数回登場。役者の変身ぶりを見るのは楽しいです。黒人差別・同性愛・環境破壊といった社会問題を、サスペンス・ラブロマンス・ファンタジーと形式を変えながら盛り込んでおり、時間の長さを感じさせない、まさにSF映画で~す。

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