週に一度は西部劇

録画保存していた『死の谷』(1949年/監督:ラオール・ウォルシュ)を観る。お尋ね者と獏連女の道行を描いたハードボイルド西部劇です。

死刑が間近な無法者ウェス(ジョエル・マクリー)は脱獄に成功し、隠れ家に向かう途中の駅馬車でフレッド(ヘンリー・ハル)とアン(ドロシー・マローン)の父娘と知りあい、死んだ恋人に似ているアンに惹かれます。脱獄を助けてくれた親分リッカード(ベジル・ライスデール)が指定した隠れ家にいたのは、リッカードが列車強盗のために集めたリノ(ジョン・アーチャー)とデューク(ジェイムス・ミッチェル)という二人の男。それに二人が連れてきたコロラド(ヴァージニア・メイヨ)という獏連女。ウェスはコロラドを追い出そうとしますが、いまわしい過去を忘れたいと哀願され、気が変わります。ウェスはリッカードに会いに行き、病床のリッカードから最後の仕事ということで列車強盗を承諾。隠れ家に帰る途中で、アンに逢いに行きますが、父親のフレッドからアンには好きな男がいると聞かされ、牧場経営に苦労しているフレッドのために持ち金を与えて去ります。事前確認した列車強盗は成功。リノとデュークがリッカードとの連絡係プルスナー(ハリー・ウッズ)と組んで何かたくらんでいることをコロラドから知らされていたウェスは、二人を列車に閉じ込め、コロラドと大金を奪って逃走に成功。リッカードをたずねると、彼は病死しており、プルスナーと撃ちあいになります。プルスナーを倒すもののウェスも負傷。ウェスとコロラドに追手が迫っており……

襲ってくる駅馬車強盗を撃ち倒していくシーンや、列車強盗におけるアクションシーンもさることながら、壮大な死の谷の描き方が素晴らしいです。西部劇の魅力のひとつに風景があるのですが、超遠景で描かれる景観の見事なこと。西部劇の主要キャラであるグッドバッドガールの扱いもグッド。一見浮気女のように見えても、心底惚れた男のためには愛を貫き通す女。ヴァージニア・メイヨが良かったなァ。ラオール・ウォルシュの最高傑作といえま~す。

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