見逃していた健さん映画

録画していた『海へ-See You-』(1988年/監督:蔵原惟繕)を観る。世界一過酷なレースといわれるパリ・ダカールラリーに参加した人々が織りなす人間模様を描いたロードムービーです。

水木(小林稔侍)率いるレースチームがパリ・ダカールラリーに出場することになりますが、わがままな人気若手スターの吉井(大橋吾郎)をメンバーに加えるようにスポンサー(岡田真澄)から強制されます。水木は、チームが勝利するにはサハラ砂漠を知りつくしたメカニックとして抜群の技量を持つ本間(高倉健)が必要と考え、かつて本間の上司だった中沢(池辺良)に依頼。本間は、トト(フィリプ・ルノア)が率いる砂漠でリタイヤした車を助ける弔い屋を手伝っており、最初は乗り気でなかったのですが、中沢の熱心な勧誘に参加を承諾。レースには別れた妻ケイ(いしだあゆみ)が現在の夫と参加しており、さらに、吉井を追ってきた人気歌手の竹井夕子(桜田淳子)が本間のサポートカーに隠れていたことから……

倉本聰の脚本なのでパリ・ダカールラリーがメインでなく、男と女の愛情物語。早い話、レースの現地ロケをしているだけで、車がクラッシュしたり、ドライバーが苦悶するようなシーンが殆どなく、レースの過酷さが伝わってこないんですよ。レースの弔い屋という面白い題材が活かされていません。健さん相手に人間味豊かに応対するフィリップ・ルノアがグッドですが、蔵原惟繕の演出は、人間ドラマも深みがなく、背景となる海外ロケを見せたいだけになっていま~す。

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