週に一度は西部劇

NHKのBSシネマで『追われる男』(1955年/監督:ニコラス・レイ)を再見。

ジェームズ・キャグニーが初老の流れ者で、ジョン・デレクを死んだ息子のように思い、一人前の男にしてやろうと心をくだく人情味がこの作品のねらい。

キャグニーとデレクは、列車強盗に間違われて銃撃され、デレクは重傷を負います。町民に謝罪され、彼らの依頼で保安官になったキャグニーはデレクを助手にしますが、デレクは町民に反感を持っていて、やる気なし。キャグニーが捕まえた銀行強盗のアーネスト・ボーグナインを逃がしてしまいます。強盗一味のグラント・ウィザースとキャグニーが同じ刑務所に入っていたことを町民に知られますが、関係ないことを証明するためにキャグニーはデレクを連れて追跡。

キャグニーは都会的で西部男が似合いませんが、身の動きは軽やかでグッド。作品としての出来は今イチですけどね。

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この作品を元ネタにした時代劇に『風と女と旅鴉』(1958年・東映加藤泰)があります。母の墓参りに故郷へ戻る途中で若いヤクザの銀次(中村錦之助)は島帰りの初老のヤクザ仙太郎(三国連太郎)と知りあいます。ふざけて二人で長脇差を抜いていたら、通りがかった目明し(殿山泰司)が二人を強盗と間違え、年貢賄い金をおっ放り出して逃げるんですな。金を持ち逃げしようとする銀次を仙太郎が諭して二人はその金を町まで届けることにしますが、強盗と思った町の連中に猟銃で撃たれ、銀次は深傷を負います。誤解は解け、町外れの農夫(加藤嘉)の家に運び込まれた銀次は、農夫の娘おちか(長谷川裕美子)の世話をうけます。鬼鮫の半蔵(進藤英太郎)という悪党一味が近辺を荒らしまわっており、町の世話役の銭屋(薄田研二)は仙太郎を用心棒に雇います。仙太郎は傷が癒えても何かと反抗的な銀次にも手伝わし、恐喝にきた鬼鮫の子分2人を捕縛。しかし、その一人(河野秋武)を銀次は5両の金で逃がすんです。鬼鮫は手下を率いて銭屋を襲い、町民の千両箱を奪います。その時、鬼鮫と仙太郎が同じ島の囚人仲間であったことと、銀次が5両で手下を逃がしたことが町民に知られます。慕っていた娘(丘さとみ)から冷たい眼をむけられた銀次は仲間になるために鬼鮫のところへ。町民から疑われた仙太郎は、金を取り返すために一人で鬼鮫のところへ乗りこみます。銀次は仙太郎と対決しますが、鬼鮫の卑怯な行為に怒りを爆発させ、仙太郎の代わりに鬼鮫を倒して一人去って行くので~す。