忠臣蔵関連で

今日は赤穂浪士が吉良邸に討入りした日。録画していた『忠臣蔵狂死曲№5 中村仲蔵出世階段』(脚本・演出:源孝志)を観る。“仮名手本忠臣蔵5段目”の斧定九郎の現在に伝わる造形を作った人気歌舞伎役者・中村仲蔵の物語です。

孤児だった中村仲蔵中村勘九郎)は、長唄と踊りの師匠(若村麻由美)の夫婦に育てられますが芝居が好きで、中村座の中堅役者・中村傳九郎高嶋政宏)の弟子になります。しかし、父が病気になり、役者を辞めて贔屓筋の豪商(谷原章介)に奉公。三味線方の娘・お岸(上白沢萌音)との結婚を機に、傳九郎に許しをこい芝居の道に戻ります。最下層の役者から再スタートをきりますが、壮絶ないじめによって死を覚悟。謎の武士(藤原竜也)に命を救われた仲蔵は、気をとりなおして芝居に打ちこみます。4代目・市川團十郎に認められ名題にまで出世しますが、立作者の金井三笑に嫌われ、仮名手本忠臣蔵で与えられた役は5段目の斧定九郎。命を救ってくれた謎の武士と雨の日に出会い、彼の姿から斧定九郎の扮装を思いつき……

中村仲蔵のことは、斧定九郎のモデルとなった浪人・此村大吉を主人公にした映画(『朱鞘罷り通る』『五人のあばれ者』『此村大吉』)で知っていました。中村仲蔵は落語・講談でも題材になっているんですね。

中村勘九郎にはピッタシの役で、ユーモアを散りばめ、上質なエンターテインメントになっています。源孝志は、歌舞伎界のことも丁寧に描き、歌舞伎入門としても役立つ内容で~す。

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