週に一度は西部劇

NHKのBSシネマで『シマロン』(1961年/監督:アンソニー・マン)を再見。オクラホマの小さな町で新聞社を始めた夫婦の歴史と、町が大都会となっていく様相を描いた開拓史劇です。

1931年版『シマロン』をカラー・ワイド化したリメイク。女流作家エドナ・ファーバーの小説が原作ですから再映画化というべきかな。原作は知らないので前作と比較すると、部分的に違っているところが多々あります。

ラストのヤンシー(グレン・フォード)の死は石油爆発の犠牲でなく、第一次世界大戦に従軍しての戦死。セイブラ(マリア・シェル)が両親の反対を押しきってヤンシーとオクラホマに出発するところから始まり、息子のシムは生まれおらず、町の銀行を襲ったキッド(ラス・タンブリン)の流れ弾丸にあたって死ぬ下僕の黒人少年も登場しません。息子のシムが生まれるのは新聞社を始めて1年後ね。前作では娘も生まれるのですが、この作品では子どもは息子だけです。

町の発展などの映像表現は前作の方が優れていますが、ランドラッシュのシーンはワイド画面を活かした見応えのあるものになっていましたね。主人公をめぐる周辺人物も前作より肉付けされています。特にデキシー・リー(アン・バクスター)とキッドは、前作と比べて重要な役どころ。主演のグレン・フォードは、前作のリチャード・ディックスと比べると存在感が弱いです。マリア・シェルはアイリン・ダンに劣らず好演。比べて観ることを、お勧めしま~す。

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