最後は

録画していた『必殺仕事人2022』(脚本:西田征史、監督:石原興)を観る。これまた、1年に1回といったような感じで制作されているお馴染み時代劇。

与力の増村(幾瀬勝久)から渡辺小五郎(東山紀之)があてがわれた岡っ引きの亥ノ吉(岸優太)は仕事熱心な正義感。町娘に乱暴を働こうとした岸田藤十郎木村了)を捕まえますが、藤十郎勘定奉行・岸田重右衛門(金田明夫)の息子だったことから即刻釈放。やりばのない怒りをおぼえた亥ノ吉は、絵師である弟・才三(西畑大吾)と不正を暴く落書きを書き始めます。藤十郎は亥ノ吉の幼馴染の美代(高月彩良)を乱暴しようとして拒まれ殺害。亥ノ吉と才三は落書きで藤十郎の悪事を暴きますが、奉行所は手出しができません。お菊(和久井映見)は仕事人に依頼してきた才三の頼みを受け、小五郎・涼次(松岡昌宏)・リュウ(知念侑李)・陣八郎(遠藤憲一)が実行。亥ノ吉は奉行所を辞め、世直し組を作って噂だけをもとに不正を暴いていくのですが……

オープニングで年貢金横領の不正を知った夫を殺された妻の頼みで、小五郎が悪代官を仕末。しかし、代官の背後には勘定奉行の岸田が黒幕としており、中盤で不良息子と一緒に仕末。ラストは、噂だけで庶民をたきつけ、恩のある茶屋の老夫婦(小林隆杉田かおる)を死に追いやった亥ノ吉と世直し組を仕末。最近なにかと話題になるSNSの問題をテーマとしているのは良いのですが、巨悪が前半で倒され、後半は行きすぎた正義感の悲劇なのでカタルシスがありません。“仕事人”は、巨悪を倒してスッキリする時代劇なので、工夫が欲しかったで~す。

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