週に一度は西部劇

西部劇パーフェクトコレクションに収録されている『シスコ・キッドと淑女』(1939年/監督:ハーバート・I・リーズ)を観る。

O・ヘンリーが創造したシスコ・キッドは、最初のトーキー映画『懐かしのアリゾナ』の主人公として栄誉を担っています。主演のワーナー・バクスターアカデミー賞受賞。以来シスコ・キッドは、ワーナー・バクスター→シーザー・ロメロ→ダンカン・レナルド→ギルバート・ローランド→再びダンカン・レナルドと主演者を変えて何本も製作されています。本作はシーザー・ロメロが主演した2代目シスコ・キッド。

銃声を聞いたシスコ・キッド(シーザー・ロメロ)と相棒のゴルディト(クリス・ビン・マーティン)は暴走する馬車を止めますが撃たれた男は瀕死の重傷。そこに男が持っている金鉱の地図を狙うハービソン(ロバート・バラット)がやってきます。男は地図を三つに裂いて、シスコ、ゴルディト、ハービソンに渡し、馬車にいる赤ん坊を託して死ぬのね。ハービソンの手下が駆けつけ、シスコとゴルディトから地図を奪おうとしますが、シスコは地図を燃やし、ゴルディトは地図を飲み込んで、地図は二人の頭の中。赤ん坊のために鉱山の金を山分けするシスコの提案にハービソンはしぶしぶ承諾。赤ん坊を置き去りにしてきたことに気づいたシスコは慌てて馬車のところへ戻りますが、赤ん坊は女教師のジュリー(マージョリーウィーバー)が助けて駅馬車で町へ。駅馬車を追ったシスコはジュリーに一目惚れ。シスコに惚れた酒場女のビリー(ヴァージニア・フィールド)はハービソンから地図を盗んでシスコと山分けしようと考えますが……

テレビ西部劇でお馴染みのダンカン・レナルドのシスコ・キッドは子供向けでしたが、シーザー・ロメロのシスコは自らドンファンと言って、歌ったり踊ったり、キザな言葉で女性を口説きます。鼻持ちならぬキザな悪役が似合うシーザー・ロメロですが、粋な主人公には違和感あり。そのキザっぷりが鼻につくんですよ。シーザー・ロメロのシスコ・キッドは全部で6本あるようですが、もう観たいとは思いません。ちなみに、ジュリーの恋人役で50年代にB級西部劇スターになったジョージ・モンゴメリーと、ビリーに手をだそうとする酔払い役でワード・ボンドが出演していました。

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