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ビデオからダビングした『里見八犬伝(五部作)』(1954年・東映/監督:河野寿一)の第四部~五部を観る。滝沢馬琴の古典時代小説の戦後最初の映画化です。

第四部は、上杉定正の追手と戦っている犬山道節(月形哲之助)が、石浜城に行く途中の犬塚信乃(東千代之介)・犬飼現八(中村錦之助)・犬川荘助(小金井修)・犬村大角(石井一雄)に助けられ、八犬士とわかり、名刀・村雨丸を信乃に返すところから始まります。犬田小文吾(片岡栄二郎)は領主・千葉自胤に武勇を見いだされ、石浜城の馬加大記(清川荘司)に預けられますが、大記は小文吾を家来にしようと酒色で勧誘。大記は網乾左母二郎(小柴幹治)の諫言で謀反を起こそうとしていたのね。石浜城には大記を親の仇と狙う娘田楽一座の犬坂毛野(藤里まゆみ)と毛野に助けられた浜路(田代百合子)も滞在。大記のバカ息子(大泉滉)の誕生日の祝いの宴の夜に毛野は仇討ちを決行。ひょんなことから毛野が八犬士であることを知った小文吾が助太刀。城を脱出した毛野の老僕から事情をきいた信乃たちも石浜城に乗り込み大記を討ち果たします。

第五部は、ゝ大法師(荒木忍)に連れられて7歳になった犬江新兵衛(小崎正彦)が現れ、八犬士は里見義実(原健策)の城へ。浜路が幼い頃に大鷲にさらわれた義実の娘であることがわかります。石浜城から抜け出した左母二郎は、八百年の昔から生きながらえている妖婆・夕顔(朝雲照代)と手を組み、義成の子・義通(植木千恵)を誘拐。かねてから横恋慕していた浜路との婚姻を条件に出します。左母二郎は義実が滅ぼした蟇田素藤の残党と山塞に籠城しており、現八が浜路の御付女中に変装し、信乃が婚礼長持箱に隠れて山塞に潜入。夕顔が若さを保つために浜路の精気を吸いとろうとした時、信乃が水晶玉で夕顔の妖術を破って倒し、浜路を救い出します。現八が素藤の残党を斬りまくって防いでいるうちに信乃は浜路をつれて山塞から脱出。信乃を追った左母二郎たちは、待伏せしていた八犬士に討たれて、メデタシ、メデタシ。

里見八犬伝といっても、犬塚信乃と犬飼現八が活躍の中心です。犬江新兵衛なんか子供ですよ。当時の東千代之介中村錦之助東映の若手二枚看板でしたからねェ。滝沢馬琴の原作は膨大な内容で、映像化するにあたっては大幅に脚色されています。原作に最も近かったのは、NHKの人形劇だったと思いま~す。

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