週に一度は西部劇

西部劇パーフェクトコレクションに収録されている『牧場主はじゃじゃ馬娘』と『アリゾナ・レンジャーズ』を観る。

『牧場主はじゃじゃ馬娘』(1938年/監督:レスリー・セランダー)は、“ホパロング・キャシディ”シリーズの一編。キャシディ(ウィリアム・ボイド)たちが営むLD牧場に投資したローナ(グウェン・ゲイズ)と許婚者のロナルド(ジョン・ウォーバートン)がロンドンからやってきます。ローナは高慢ちきな金持ち娘で、キャシディを従わせようとしますがキャシディは逆にローナを説教。キャシディに惹かれていくローナに気がきでないロナルドは、キャシディに怨みを持つスカー(アル・ブリッジ)に煽られてキャシディを殺そうとしますが……

“ホパロング・キャシディ”シリーズは、クラレンス・E・マルフォードの西部小説が原作で、製作者のハリー・シャーマンが当時人気の下り坂だったウイリアム・ボイドを起用して、35年から45年にかけて54本作りました。シャーマンが製作を中止した後、ボイドが権利を買い取って、さらに12本製作しています。日本で公開(戦後の公開も含む)されたのは13本。テレビが普及してB西部劇が作られなくなりましたが、“ホパロング・キャシディ”シリーズはテレビ用に編集されて放映され、全米で大人気となりました。日本でもNTV系列で58年(2月13日~8月21日)に『われらのキャシディ』の題名で放送されています。この手の西部劇はどれも同じで、コメディリリーフの老人と熱血の若者が主人公の脇にいて、登場人物が皆ハッピーに終わる健全娯楽作品です。

アリゾナ・レンジャーズ』(1939年/監督:デヴィッド・ハワード)は、無法地帯のアリゾナに秩序をもたらす男の物語。アリゾナは強盗団が好き勝手なことをしており、その黒幕を捕まえるためにブーン(ジョージ・オブライエン)は、相棒のワッパー(チル・ウィルス)と飲んだくれ男を装って強盗団に潜入。ブーンは州知事が結成したレンジャーズのリーダーですが、その事を知っているのは州知事と恋人レティ(ラレイン・デイ)の父親である判事だけです。ブーンは強盗団の一味として騎兵隊に捕まり……

ジョージ・オブライエンはRKOで活躍した戦前のB西部劇スター。ありきたりのストーリー展開のB西部劇ですが、若き日の痩せたチル・ウィルスを見ることができたので満足で~す。

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