週に一度は西部劇

友人に送ってもらった『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール報復の荒野』(2021年/監督:ジェームズ・サミュエル)を観る。ラップのビートに乗って展開する黒人西部劇です。

ナット・ラブ(ジョナサン・メジャース)は、犯罪集団が奪った金を奪う無法者。ナットの仲間ジム・ベックワース(R・J・サイラー)とビル・ピケット(エディ・ガテギ)が奪った金が20年前に両親を殺し、自分の額に傷つけた憎き敵ルーファス・バック(イドリス・エルバ)釈放の上納金と保安官バス・リーヴス(デルロイ・リンド)に知らされ、ナットは復讐を決意。釈放されたバックはトルーディス・スミス(レジーナ・キング)やチェロキー・ビル(ラキース・スタンフィールド)といった強者を引き連れて根城である町に戻って資金集め。ナットの恋人ステージコーチ・マリー(ザジー・ビーツ)が様子を探りに行って捕まり……

主な登場人物は全て実在した人物ですが、名前を借りただけでお話は全くのフィクション。ジム・ベックワースもビル・ピケットも天寿をまっとうしていますからね。凶悪な女ガンマンのトルーディス・スミスなんか、実際はただのスリだったとのこと。人質となったマリーを助けるために、ナットと一緒に白人の町の銀行を襲うカフィ(ダニエル・デッドワイラー)は、男性を装って軍隊に入隊したキャセイ・ウィリアムスがモデルのようです。

黒人差別が当たり前の時代、黒人専用の映画館で上映する黒人たちによる映画が作られていて、西部劇も多くありました。観たことはないけど、そんな感じの作品ですな。ちなみに、ビル・ピケットはカウボーイとして有名ですが、そんな黒人西部劇にも数多く出演しています。

作品の感想をいうと、バックがナットの両親を殺した理由をラストで長々とセリフで説明するのは余計なこと。理由を観客に知らせたいなら劇中でそれとなくわかるような演出が欲しかったです。白人の町ということを強調するのに、建物を全て白くするのも余計なこと。カッコつけすぎなところがありますが、銃撃戦は満足、満足です。それにしても、イドリス・エルバの存在感は群を抜いていましたねェ。

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