友人が送ってきた『禿鷹(コンドル)』と続編の『海賊島』を観る。どちらも1950年に安田公義が監督した大映作品。かつて大陸で禿鷹(コンドル)と呼ばれた怪盗・氷室修平(岡譲二)が川崎刑事(夏川大二郎)に協力して犯罪集団と戦うクライムアクションです。
『禿鷹(コンドル)』は、殺人事件を捜査していた兄が殺され、弟の川崎刑事が捜査にあたります。殺された刑事に恩がある氷室は川崎刑事の捜査に協力。殺された男の姉(関千恵子)から弟が細密画の専門家であったことを知らされた氷室は、偶然出会ったかつての恋人さゆり(利根はる恵)が所持していた扇に同じ細密画が描かれているのを発見。それは、さゆりに執心な男(滝沢修)から贈られたもので、氷室は男の一味から狙われます。やがて、贋札が市場に出たことから背後に大掛かりな犯罪組織があるのがわかり……
『海賊島』は、海上保安庁の船が海賊に襲われた船を発見し、海賊の本拠地がある島に川崎刑事が潜入します。氷室修平もこの島にきており、川崎刑事に協力。氷室は海賊一味に追われて、謎の啞娘(水ノ江瀧子)と知りあい……
主人公が意味もない変装をして犯人一味に近づくところや、元怪盗が罪滅ぼしに悪党退治というのは、片岡千恵蔵の『七つの男』の二番煎じのような作品。変装まるわかりのところは、両者シノギを削っています。犯罪組織のボスも変装しているのは、ご愛敬。
禿鷹の描かれたカードを投げて敵の攻撃を防ぐのは、後年、武内つなよしの漫画『コンドル・キング』にも出てきましたな。元ネタはこの映画だったのかな。
伏線もなく、偶然の連続で物語が展開し、犯人一味が勝手に動いて御用になるのは、旧き時代の娯楽映画の特徴で~す。