これで最後

DVDボックス『五人の野武士』の25~26話を観る。

第25話「礫(つぶて)」は、凄腕の武芸者を利用した後、殺そうとする悪領主を利南八郎太(宝田明)・伊賀良五平衛(人見明)・忍びの三太夫(高橋俊之)が成敗。片腕を失い、必死の修行でツブテ打ちの達人となった武芸者役で夏八木勲が出演。悪領主は須賀不二夫。五人の野武士でなく、三人の野武士です。

第26話「天下を蹴る」は、落城した城主の息子(中村まなぶ=中村梅雀)を味方の武田領まで八郎太・五平衛・三太夫・甘楽主水介(松山省二)が送り届ける物語。船山次郎(三船敏郎)と伴右近(中山仁)が武田屋敷に逗留しており、武田信玄東千代之介)から仕官を求められますが、自由な野武士がいいと言って全員仕官を断ります。右近は数合わせのためにラストに登場するだけ。最終回とあって三船は顔を見せるだけ。子役時代の中村梅雀を初めて見ましたよ。

これで全話観賞したのですが、個々のエピソードには面白いものがあっても、シリーズドラマとしては破綻しています。題名の『五人の野武士』ですが、三船敏郎宝田明中山仁人見明・高橋俊之・松山省二がメインキャストになるのでしょうが、この内の5人が揃って登場するエピソードは半分もありません。三船以外は1国1城の城主になり、天下を狙う夢を持って行動していたのが、途中から城主になるより自由に生きる道を選ぶという普通のさすらい浪人になってしまいました。確固たるテーマがなく、中心となる脚本家もいなかったせいでしょうねェ。

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