未見だったので

未見の健さん映画ということで録画していた『大脱獄』(1975年/監督:石井輝男)を観る。殺人犯の濡れ衣をきて投獄された男が脱獄して復讐するアクション映画です。

網走刑務所を脱獄した死刑囚のうち、梢(高倉健)と国岩(菅原文太)だけが生き残ります。梢は剛田(田中邦衛)と銀行強盗した時に、警備員を殺した剛田に罪を着せられて服役。国岩は梢が奪った金を隠していると思ってつきまといます。国岩をまいた梢は、ストリッパーのあき(木の実ナナ)と知りあい、病気の彼女のために鉄道除雪作業員として働きに出ますが、現場をしきる梶政(山本麟一)が作業員の日当をピンハネする悪い奴で、梢を脱獄犯と知って梢を脅迫。梢は梶政を殺し、梶政から奪った金をあきに渡して別れます。札幌で嘘の証言をした剛田の情婦・時子(桧よしえ)を見つけ、剛田のいる小樽へ。時子から剛田の背後に黒幕の松井田(須賀不二夫)がいることを告げられ……

石井・高倉コンビの最後の作品です。“網走番外地”シリーズのシリアス版といった感じですが、出来は今イチ。木の実ナナに見せる健さんの男の哀愁とか、警察に追われている殺人犯の小池朝雄が見せる無言の友情とかは良かったのですが、全体的に端折り過ぎ。菅原文太のキャラが曖昧なのもマイナス。健さんの映画を無理して作っても落ちていく一方だと、石井監督自身が語っているのが納得で~す。

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