録画していた『HOKUSAI』(2021年/監督:橋本一)を観る。江戸時代の天才絵師・葛飾北斎の人生を描いた伝記映画です。
幕府から目をつけられ、手入れにあったばかりの浮世絵版元の蔦屋重三郎(阿部寛)は、貧乏長屋に住む絵師・北斎(柳楽優弥)の絵を見て彼の才能を見抜きます。北斎は重三郎に紹介された喜多川歌麿(玉木宏)や東洲斎写楽(浦上晟周)に刺激を受け、才能を開花。“大波”の通称で知られる「神奈川沖浪裏」で独自の浮世絵世界の道を開き、人気絵師へと成長を遂げます。老年となった北斎(田中泯)は、絶えず高みを目指して己の信じる道を歩み続けており……
青年期と老年期の二部構成で北斎の生き様を描いていますが、中途半端な感じ。北斎の生き様に共感する柳亭種彦(永山瑛太)の死には、オイオイと言いたくなります。老年時代の田中泯はグッドなんですが、柳楽優弥もグッド。北斎の青年時代の資料は乏しく、青年時代に絞ってフィクションたっぷりに蔦屋重三郎との関係をもっと濃密に描いた方がよかったような気がしま~す。