懐古趣味時代劇

DVDで懐かしの時代劇『快傑黒頭巾』(1958年・東映/監督:松村昌治)を観る。大友柳太朗が主演した“快傑黒頭巾”は全部で9作あるのですが、最初の2作はフィルムがなくなっており、残り7作がDVDで観ることができます。今回観たのは第7作目。

長州藩士・宮部鉄之助(尾上鯉之助)は、幕府が入手した新式銃の設計図を奪おうとして失敗。黒頭巾(大友柳太朗)が幕府見廻り組頭領・間部主税助(山形勲)からその設計図を奪います。間部は黒頭巾討伐隊を組織。岡っ引きの赤鬼の権太(沢村宗之助)と子分の三次(星十郎)が、「快傑黒頭巾の歌」を歌っていた、早苗(大川恵子)・友之助(松島トモ子)・千代(植木千恵)の姉弟妹を捕えますが、黒頭巾が救出。黒頭巾は匿っていた宮部に設計図を持たせて益満休之助(加賀邦男)のいる薩摩屋敷に向かわせますが、途中で見廻り組に見つかり、斬られて設計図を奪われます。新式銃の製作には洋式数学が必要で、間部は数学者の山鹿士行(志村喬)と高弟の大槻東橘(永田靖)を捕縛。早苗・友之助・千代が大槻東橘の子どもということを間部に知られ、人質として伊豆・堂ヶ島の新式銃製造の秘密工場へ連れ去られます。お光(桜町弘子)の矢場で火傷男に変装して権太がもらした秘密工場の場所を聞いていた黒頭巾は、彼らを救出するために秘密工場の人夫に変装して潜入し……

この作品から、カラー・シネスコ版になります。オープニングで黒頭巾は、富士山に向かって深々と頭を下げて挨拶。よい子の味方は礼儀正しいのです。江戸に現れた黒頭巾は、演歌師の与作と易者の天命堂に変装し、一人二役で百軒長屋に暮らしています。隣に住むのが早苗・友之助・千代の姉弟妹。与作に惚れている間部の密偵おぎん(長谷川裕見子)に見破られないように苦心惨憺。早苗やお光も与作に恋しているものだから、おぎんは執拗に与作を追いかけます。それで、与作が黒頭巾だと最後にバレちゃうんですけどね。間部配下の髭面武士・秘密工場を取りしきる弥兵衛(沢村国太郎)の手下の片目の海賊・そして仮面をつけた弥兵衛に変装して間部を倒し、秘密工場を爆破。最後の大立ち回りは、大友柳太朗らしいダイナミックな殺陣になっていま~す。