昨日に続き

DVDで懐かしの時代劇『危うし!快傑黒頭巾』(1960年/監督:松村昌治)を観る。黒頭巾が拳銃を撃ちまくるシリーズ最終作です。

長州藩はゲーベル銃の密輸に成功するものの、弾薬は長崎から持ち出せないままの状態。黒頭巾(大友柳太朗)は坂本龍馬(加賀邦男)の頼みで弾薬を隠している勤皇浪士・榊原新之助(伏見扇太郎)を助けるために長崎にやってきます。真鍋与作と名乗った黒頭巾は岡っ引きのエンマの吉五郎(吉田義夫)と子分のホトケの三太(堺俊二)に追われている新之助を救け、新之助が弾薬を隠している曲芸一座の座長・曹自忠(近衛十四郎)や、彼の妹・麗花(丘さとみ)、新之助の恋人・李彩玉(中里阿里子)とその妹・彩生(松島トモ子)と知りあいます。弾薬の捜査と清国との密約のために長崎にきていた幕府の松平主税介(進藤英太郎)は、国辱的な密約に反対する新之助の父・長崎奉行を殺害。松平主税介から犯人は黒頭巾と教えられた新之助の妹・妙(桜町弘子)と弟・大次郎(風間杜夫)は黒頭巾を仇と狙いますが、新之助は与作から黒頭巾が犯人でないと知らされ信じます。麗花を見染めた清国高官・王徳順(三島雅夫)は、巡業に必要な通行許可証を餌に麗花を唐人屋敷に呼び寄せますが、黒頭巾が王徳順を斬って麗花を救出。松平主税介は曹自忠を捕えて黒頭巾をおびき寄せる囮にしようとしますが、曹自忠は自害します。弾薬と一座は坂本龍馬の船で長崎を脱出。しかし、麗花にフラれた一座の劉子明(本郷秀雄)が松平主税介に船の上陸場所を知らせたことから……

松島トモ子は出演しているものの、成長して娘役をしているので彼女が歌う主題歌はなくなり、与作が歌う歌は前作から大友柳太朗自身でなく吹替えになっています。松島トモ子の歌が上手いので、自分で歌うのをやめたとのこと。易者の天命堂に変装するものの、与作との一人二役の面白さはありません。クライマックスは、弾薬を積んだ幌馬車隊と幕府騎馬隊との銃撃戦。大友柳太朗の殺陣は殆どなく、寂しい限り。黒頭巾の正体が、薩摩藩士・山鹿弦一郎というのも取ってつけた感じで、最終作にしては出来ばえが今イチで~す。