たまには読書

田崎健太:著の『真説・長州力』(集英社文庫:2018年7月25日第1刷発行)を読了。最近は天然ボケ・キャラとしてタレント活動で有名になりましたが、プロレスラー時代の長州力を憶えている人も多いと思います。

プロレスラーとしてスターになるには強さだけではだめで、どれだけ観客を興奮させ喜ばせるかにかかっているんですね。アマレスでオリンピックに出場した長州は最初からエリート扱いで、エル・グレコとのデビュー戦を快勝。すぐに海外修行に出され、猪木・坂口に続く新日本のエース候補でもあったのですが、ファンを沸かせる華がなかったんですね。ジュニアのチャンピオンとなって人気を集めた藤波が、タイガーマスクの登場でヘビー級に転向して猪木・坂口に続く存在になります。そこで、出てきたのが長州の“噛ませ犬”発言ね。藤波の下にいることに甘んじることができなくなって、リング上で藤波と対立。誰が仕組んだのかがファンの間で話題となる事件で、長州が語るところによると、猪木が撃鉄を起こして、自分の判断で引金をひいたとのこと。これ以後。長州は自分の感情をリングで表現する術がわかり、ファンの反応を見ることができるようになったんです。

他人を寄つけないようなしかめ面をして、リングの上でガンガンいくスタイルを確立。本人および関係者から莫大な数の証言により、長州力のプロレスの流儀と長州力が関わったプロレス裏面史を明らかにしていま~す。