週に一度は西部劇

西部劇パーフェクトコレクション「荒野の無法者」に収録されている『戦う勇者』(1952年/監督:スペンサー・ゴードン・ベネット)と『平原の駅馬車』(1946年/監督:ジョセフ・ケイン)を観る。

『戦う勇者』は、アメリカとイギリスの間で紛争が勃発している1800年代初頭のインディアナ州を舞台にしたインディアンとの友情と恋を描いた物語。

英国との開戦間近のインディアナ州、英国のスパイが争乱を起こすために暗躍しており、インディアンを味方につけるために大統領側近のスティーブ・ラッデル(ジョン・ホール)が帰ってきます。ショーニー族の酋長テカムセ(ジェイ・シルバーヒールズ)は平和主義者で米国に協力しますが、弟(マイケル・アンサラ)は好戦的で英国の味方。ラッデル・テカムセ・ローラ(クリスティーン・ラーソン)は幼馴染で、テカムセはローラと結婚したいと思っていますが、ローラはラッデルと愛しあっています。ローラの父が英国のスパイだったことから……

米国をインディアンに対して好意的に描いていますが、実際は白人入植者がインディアンの土地を奪い、米政府が入植者を保護したことからインディアンの諸部族は英国に味方したんですな。テカムセは弟と決闘して勝ち、弟を追放しますが、ショーニー族の戦士の殆どが弟についていったのには笑えます。テムカセは、最後は独りぼっち。何じゃコリャという作品で~す。

『平原の駅馬車』は、愛する女性のためにポニー・エクスプレス開設に協力する男の物語。

サム・コルトン(ウィリアム・エリオット)は、銀行家アーネセン(ラインホルト・シュンツェル)の娘アナ(ベラ・ラルストン)に惹かれて酒場を売り、アーネセンが投資を募っているラッセルが計画しているポニー・エクスプレス事業に投資します。アーネセンの後妻キャシー(ゲイル・パトリック)と関係をもっているマルケット(ジョセフ・シルトクウト)は駅馬車事業をしており、ポニー・エクスプレス事業を妨害するためにサムを目の敵にしている無法者フェイスティ(ドナルド・バリー)を使ってサムを殺そうとしますが……

駅馬車なんか出てこない適当につけたような邦題。ポニー・エクスプレスが開設され、セントジョセフ側とサクラメント側とでカットバックで交互に描かれるポニーライダーが疾駆する映像が面白いくらいで、散漫な物語展開は褒められてものではありません。主演のビル・エリオットは野暮ったいしね。当初サム・コルトンの役はジョン・ウェインを予定していたようですが、脚本が気に入らずウェインは断ったとのこと。ベラ・ラルストンとは『ダコタ高原』や『ケンタッキー魂』で共演していますが、ウェインの好みの女優ではなかったようで~す。