懐かしのサスペンス映画

録画していた『暗くなるまで待って』(1967年/監督:テレンス・ヤング)を観る。麻薬犯罪者と対決する盲目の女性の恐怖を描いたサスペンス映画です。

写真家のサム(エフレム・ジンバリスト・ジュニア)と盲目の妻スージー(オウドリー・ヘップバーン)が住むアパートにマイク(リチャード・クレンナ)とカリーノ(ジャック・ウェストン)、ロート(アラン・アーキン)がやってきます。サムとスージーは留守で、サムが麻薬の運び屋の女性リザ(サマンサ・ジョーンズ)から預かった人形を探しにきたんですな。ロートは麻薬を独り占めしようとしたリザを殺しており、リザの仲間だったマイクとカリーノはロートと敵対関係にありますが「麻薬が縫い込まれている人形を見つけるまでは」と互いに結託。人形が見つからず、偽の依頼でサムを旅に出した後、3人は人形の在処を聞きだすために乗り込んできます。サムの戦友だと騙したり、サムと浮気している人妻の夫や父親に化けたりしてね。盲目ゆえに人一倍感覚の鋭いスージーは次第に疑念を抱きはじめ、男たちの正体を知った時、3人は仲間割れをし、2人を殺したロートがスージーに襲いかかります。暗闇の中でのスージーとロートの対決は……

原作が舞台劇なので、映画もスージーが暮らすアパートの一室で殆ど展開します。麻薬を人形の中に縫い込むオープニングにはじまる人形を使った映画的サスペンスの組み立て見事。暗闇のクライマックスはテレンス・ヤングならではの緊迫感ある演出を見せており、スージーがロートに足をつかまれる場面は、まさに映画ならではのショック演出。昨日の『ヒットマンズ・ハリケーン』とは、“月とスッポン”で~す。