上出来SP映画なので

東映チャンネルで放送された『警視庁物語・全国縦断捜査』(1963年/監督:飯塚増一)を観る。“警視庁物語”シリーズ第22作目の作品です。

奥多摩にてバンドで絞殺された男の焼死体が発見されます。指紋から被害者の名は佐山と判明。佐山の兄嫁の証言で、就職の件で犯人らしき男に呼び出されたことがわかります。遺留品のバンドのバックルから沖縄の物であることがわかり、捜査主任(神田隆)の指示で長田部長刑事(堀雄二)が沖縄へ。地元の南風原刑事(清水元)の協力でバックルを作った運天(中野誠也)を訪問。そのバックルは7つしか作っておらず、所在不明は2つだけ。関係者の証言から四日市の石油会社にいるという城間という男が容疑者として浮かび上がります。その頃、事件の目撃者による容疑者のモンタージュ写真が完成。しかし、それは城間の写真とは全然似ていません。指名手配中の殺人犯・中北(八名信夫)とモンタージュ写真がそっくりで、林刑事(花沢徳衛)と北川刑事(南廣)が中北の実家がある秋田へ行って捜査。四日市にいるはずの城間に交通違反出頭状がきており、金子刑事(山本麟一)が所轄の警察署に行くと、免許証の写真は中北。四日市署に保管されていた身元不明の焼死体の記録で、城間を殺して城間になりすましていた中北が、交通違反でそれがバレるのを恐れ、佐山を殺して佐山になりすまそうとしていたことがわかります。刑事たちは中北を追って……

“警視庁物語”は、1956年の『終電車の死美人』を第1作として、64年の『行方不明』まで24本作られています。二本立て興行の添え物として作られた、ロケ中心の低予算映画ですが、事件発生から解決まで変化にとんだ映像で飽きさせません。復帰前の沖縄の風景や、上野駅での犯人逮捕の臨場感あふれる映像はグッドで~す。