リアル・スパイ物語で

録画していた『クーリエ:最高機密の運び屋』(2020年/監督:ドミニク・クック)を観る。ベネディクト・カンバーバッチ主演のスパイサスペンスというより人間ドラマです。

東西冷戦下の1960年代、東欧出張が多かった英国人セールスマンのグレヴィル(ベネディクト・カンバーバッチ)に、CIAとMI6からスパイ活動の依頼が舞い込みます。任務はモスクワのソ連高官オレグ・ペンコフスキー(メラーブ・ニニッゼ)と接触し、機密情報を西側に運ぶこと。オレグと交流を重ねるうちに二人の間に友情が芽生え……

1962年のキューバ危機の舞台裏で、平凡な英国人セールスマンのスパイ活動が戦争回避に決定的役割を果たしたことに驚きです。“事実は小説より奇なり”ですなァ。サスペンス性より、グレヴィルとオレグの人間性に重点がおかれた人間ドラマになっています。カンバーバッチの演技に脱帽。現在でも国際政治の裏側では、このようなスパイ活動が行われているんでしょうなァ。