気になる作品で

友人に送ってもらった『風来坊探偵・岬を渡る黒い風』(1961年・ニュー東映/監督:深作欣二)を観る。千葉真一主演の深作欣二初期のアクション映画です。

風来坊探偵こと西園寺五郎(千葉真一)は、漁業会社社長・江藤重吉(松本克平)の娘・慎喜子(北原しげみ)の依頼で房総半島の新湊港にやってきます。江藤水産では相次ぐ海難事故が起きており、その調査のためね。五郎が着いた早々に重吉が自殺を装って殺されます。江藤水産の競争相手の堀越海運の社長・堀越(永田靖)はヤクザの親分で、南房水産研究所の仕事を一手に引き受けており、五郎は堀越海運と研究所には何か秘密があると考え……

研究所の所長(宇佐美淳也)は麻薬密売組織のボスで、堀越を使って麻薬の密輸を行なっており、海上で密輸取引するのにジャマな江藤水産の漁船を沈めていたんですな。堀越海運にはジョーカーの鉄(曽根晴美)という用心棒がいて、五郎の腕前を見て戦いを挑んできます。五郎のライフルと鉄の拳銃が対決。ライバルから友情が芽生えてくるという構図は、日活のアキラ(小林旭)とジョー(宍戸錠)の関係のマネ。千葉真一のアクションは小林旭に負けていませんが、哀愁が不足。女優陣も日活に比べて弱小で~す。