週に一度は西部劇

20年以上前にゲットしたDVD『追跡』(1947年/監督:ラオール・ウォルシュ)を再見。公開当時、ニューロティック・ウエスタン(サイコ・ウエスタン)として話題になった作品です。

メドラ・カラム夫人(ジュディス・アンダーソン)に引きとられた孤児のジェブ・ランド(ロバート・ミッチャム)は、メドラの実子アダム(ジョン・ロドネイ)とソーリ(テレサ・ライト)と共に育てられます。ジェブとソーリは愛しあうようになりますが、ジェブとアダムは不仲。ジェブには子供の頃の記憶がなく、何かに追いかけられ、狙われているような気がして落ち着きません。米西戦争に従軍して、英雄として帰還。アダムの叔父グラント(ディーン・ジャガー)はランド一家に憎しみを持っており、ジェブの命を狙っています。グラントにたきつけられたアダムはジェドを待伏せして撃ちあいになり死亡。正当防衛として釈放されますが、ジェブはカラム夫人とソーリに憎まれます。グラントは、ソーリに恋している若者(ハリー・ケリー・ジュニア)もたきつけてジェブを殺そうとしますが……

時おり脳裏に浮かんでくる銀の拍車と黒いブーツがジェブのトラウマになっていて、ジェブの心理描写に重点がおかれています。最後に全ての謎があかされ、愛は憎しみより勝るというハッピーエンド。グラントのジェブに対する憎しみが異常で、普通の感覚ではついていけません。内容的には今イチすっきりしない作品ですが、ラオール・ウォルシュの演出テクニックは見るべきところがあり、風景映像などは西部劇として楽しめま~す。