今週は警視庁物語

東映チャンネルで放送された『警視庁物語・逃亡5分前』(1956年・東映/監督:小沢茂弘)を観る。連続タクシー強盗犯を捜査する刑事たちの行動を描いたB級サスペンス映画。

深夜の深川でタクシー強盗殺人事件が発生。捜査本部が設置され、捜査主任(神田隆)は、巧妙な手口から常習犯とにらみます。タクシーに残されていた爪楊枝の袋から長田(堀雄二)・宮川(南原宏治)の両刑事の地道な聞き込み捜査により犯人は白マスク、皮ジャンパーの男と判明。続いて新橋で同一手口による事件が発生。犯人らしき男が、東京の理髪店にいるという情報が入り、宮川刑事が駆けつけます。男は血の付いたワイシャツの洗濯を頼んでおり、血痕は殺されたタクシー運転手と同じ血液型。男は小磯(伊藤久哉)といい、拳銃不法所持で捕まっていた黒岩(富田仲次郎)の保釈金を払ったことがわかります。タクシー強盗は黒岩の兄弟分の小磯が保釈金欲しさに働いていたことが判明。宮川刑事は黒岩の妻(星美智子)に拳銃取引を持ちかけ、逃亡寸前の黒岩と小磯を深川・木場に誘き出し……

この作品より“警視庁物語”としてシリーズ化していきます。前作では捜査係長だった松本克平が以後レギュラーとなる捜査一課長に出世し、堀雄二と花沢徳衛が前作に続いて刑事役で出演。神田隆の捜査主任、山本麟一の刑事が新たに登場。前作では犯人だった南原宏治が刑事に、刑事だった伊藤久哉が犯人で、物語の中心となっています。

ステッキガール(コールガールのこと)なるセリフがとびだし、浅草界隈や深川・木場の風景が懐かしかったで~す。