先週に続き

東映チャンネルで放送された『警視庁物語・夜の野獣』(1957年・東映/監督:小沢茂弘)を観る。サラリーマン殺害事件を追う刑事たちの捜査を描いたシリーズ7作目。

地下鉄の駅に近い原っぱで強盗にあったと思われるサラリーマンの刺殺死体が発見されます。現場に残された女物と男物の財布、イヤリングなどから刑事たちは捜査を開始。イヤリングから原っぱで逢引きしていた男女がわかり、彼らが二人の男を目撃。一人はタクシーで逃げ去ったという情報を得ます。女物の財布の所有者が現れ、地下鉄でスリに掏られたと証言。スリの顔を憶えていて、指名手配しますが、そのスリは殺害されて死体となって発見されます。殺されたスリは集団スリの一味で、サラリーマンは掏られた財布を取り戻すために追いかけていって殺されたものと判明。現場から逃げ去った男の乗ったタクシー運転手の証言から、男の愛人・雪江(小宮光江)のアパートへ辿りつきます。捜査本部は雪江に出頭を求め、決め手となる証拠を得ますが、雪江は男の居場所について口を割らず、釈放して雪江を尾行し……

この作品よりシネスコサイズ(東映スコープ)になります。捜査本部は、前作『上野発五時三十五分』と同じメンバー。捜査主任(神田隆)、長田部長刑事(堀雄二)、山村刑事(波島進)、金子刑事(山本麟一)、林刑事(花沢徳衛)ね。

地下鉄丸の内線がスリたちの稼ぎ場所になっており、スリ専門刑事役の加藤嘉が、スリの手口を色々解説してくれます。スリ役で、稲葉義男・潮健児・大村文武・穂高稔・織本順吉千石規子など知っている顔がいっぱい。犯人(関山耕司)を乗せたタクシーがなかなか見つからないのですが、当時タクシー運転手のエントツ行為(会社に内緒で客を乗せて稼ぐ)が話題になっていたんですね。犯人が警官を襲って拳銃を手に入れ、最後は銃撃戦になるというのは、やり過ぎで~す。