週に一度は西部劇

DVDで『落日の決闘』(1946年/監督:スチュアート・ギルモア)を再見。オウエン・ウェスターの古典的西部小説『ヴァージニアン』の4度目の映画化作品です。1921年ダスティン・ファーナム主演、1923年ケネス・ハーラン主演の2本はサイレント。3度目からトーキーになります。ビクター・フレミング監督、ゲーリー・クーパー主演の1929年の作品で、クーパーの出世作。本作は、クーパー主演の『ヴァージニアン』をカラー・リメイクしたもの。

生活の単調さから逃れるために、モリー(バーバラ・ブリトン)は東部から西部へやって来ます。教師になるためにワイオミングのメディシンボウに着いたモリーは、鼻歌を歌いながら牛の群れを率いるヴァージニアン(ジョエル・マクリー)を目撃。町でヴァージニアンは旧友のスティーブ(ソニー・タフツ)と再会。スティーブはニューヨークに行くつもりでしたが、無法者のトランパスブライアン・ドンレヴィ)にポーカーで旅費をまきあげられ、ヴァージニアンはスティーブを牧童として雇います。モリーはヴァージニアンとスティーブと知りあい、ヴァージニアンに惹かれるんですが、無骨でとっつきにくいのでスティーブと親しくなります。スティーブは旅費を稼ぐためにトランパスに誘われて彼の仲間に入り、トランパスは事あるごとにヴァージニアンと対立。トランパス一味が牛を盗み、牛泥棒を捕まえますが、その中にスティーブがいます。ヴァージニアンは掟と私情の板挟みになりますが、心を鬼にしてスティーブを処刑。ヴァージニアンは、スティーブを悪の道に誘ったトランパスを怒りにかられてひとりで追いますが、途中で待伏せされて重傷を負います。モリーはスティーブがヴァージニアンに吊るし首にされたことに驚愕。東部出身のモリーには西部の掟が理解できなかったのですが、ヴァージニアンを介護しているうちに不快事を忘れていきます。傷も癒え、愛情を復活させたモリーとヴァージニアンは結婚を決意。式をあげる町ではトランパスが待ち受けており、「お前と俺がいるには、この町は狭すぎる。陽が落ちる前に出ていけ!」と、ヴァージニアンに決闘を挑みます。

特に優れたところはありませんが、牛の暴走や荒馬慣らし、そして悪漢との決闘と、西部劇の坪は押さえています。全身黒ずくめのドンレヴィが貫禄十分。マクリーはいささか影が薄くなっていま~す。