ＤＶＤで『陸軍中野学校・雲一号指令』（1966年・大映／監督：森一生）を観る。スパイ工作による軍用船爆発事件を捜査する諜報員の活躍を描いたシリーズ２作目。
軍用船が神戸港を出港後、謎の爆沈をとげるという怪事件が相次ぎ、椎名次郎（市川雷蔵）は中野学校の草薙中佐（加東大介）に呼ばれ、神戸港の警備員として潜入捜査をしている杉本（仲村隆）と事件解決するように命令されます。椎名は怪電波をキャッチし、その行方を追いますが見つからず、杉本が怪しいと睨んだ夜警倉庫係の元川（越川一）を徹底的に尾行。元川が売れっ子芸者・梅香（村松英子）や上海にある親日新聞の神戸駐在員・佐々木（中野誠也）と密かに会っているのを目撃。元川が軍需物資を保管している倉庫爆破しようとしているところを杉本が防ぎますが、元川は自爆します。新造船の設計図を盗撮した佐々木は憲兵隊に捕まりますが、尋問中に隙を見て窓から飛び降り自殺。椎名は梅香を徹底的に調査。梅香が憲兵隊の座敷に何度も呼ばれていることを知った椎名は、軍事情報が憲兵隊から漏れていることをつかみ……
前作では英国領事館に忍び込んで暗号コードブックを盗むというスパイ活動があったのですが、今回は英国人神父の外人教会をアジトにしている中国の破壊工作員の捜査。怪電波は教会から出ていたのね。スパイ映画というより犯罪捜査ものになっていました。
前作では参謀本部の暗号解読部の大尉（待田京介）が女（小川真由美）に惚れて情報を洩らし、今回は憲兵隊の副官（佐藤慶）が芸者の梅香に鼻の下をのばして情報を盗まれるという二番煎じ的な設定。市川雷蔵のクールな魅力だけが取り柄の作品で～す。
