昨日に続き

録画していた『沖縄10年戦争』(1978年・東映/監督:松尾昭典)を観る。本土復帰直後の沖縄を舞台にしたヤクザの抗争を描いた東映実録ヤクザ映画。

太平洋戦争末期の沖縄戦で親を失って孤児仲間として仲良く成長した金城友行(松方弘樹)と、朝市(佐藤允)・朝勇(千葉真一)の伊波兄弟は、沖縄ヤクザ組織・沖縄総連琉栄会の幹部。沖縄の本土復帰から2年後の昭和49年、沖縄海洋博を翌年に控えて関西錦連合の桜木(小池朝雄)組から招待状が琉栄会に届きます。桜木組の幹部・中原(藤田まこと)と懇意の朝市から大阪行きを勧められた会長の宮国(深江章喜)は、錦連合の宴会に出席しますが恥をかかされ、朝市の伊波組を琉栄会から除名。伊波組の若者(渡辺篤)が宮国を射殺したことから、金城が琉栄会の会長となり、伊波組と抗争になります。朝市は逮捕され、朝勇のバックに桜木組がついたことから……

本土の人間に対して恨みを持っているのに、沖縄海洋博の利権から沖縄人同士が殺しあう結果になるという実録路線ならでは物語。抗争で死ぬ若者たち、警察の対応、ヤクザの友情とか、描きたいものがたくさんあって、どれも中途半端になった感じです。同じ松方弘樹千葉真一の主演で本土復帰直前の沖縄ヤクザ抗争を描いた『沖縄やくざ戦争』の方が、出来がいいで~す。