週に一度は西部劇

ゲットしたまま封も切っていなかったDVD『ワイルド・ワイルド・ウエスト』(1999年/監督:バリー・ソネンフェルド)を観る。1960年代後半に人気のあったテレビ西部劇『ワイルドウエスト』のリメイクということで正統な冒険アクションを期待して観にいったら荒唐無稽のメカ満載の邪道西部劇でガッカリしたのですが、最近では評価が上がっているようで、リアルタイムで観て以来の再見です。

南北戦争終結から4年たった1869年、戦争中に虐殺を行った南軍の将軍マグラス(テッド・レビン)を追っていた陸軍大尉のウエスト(ウィル・スミス)と、同じく科学者連続誘拐犯としてマグラスを追っていた連保保安官のゴードン(ケヴィン・クライン)は大統領に呼び出されます。南部連合再建の動きがあり、二人はマグラスと彼の黒幕であるラブレス博士(ケネス・ブラナー)の捜索を開始。ラブレスに捕まっていたリタという娘(サルマ・ハエック)を助け出し……

直情径行のウエストと本能より理性のゴードンという水と油のコンビが醸し出す可笑しさが今イチで、同じソネンフェルドが監督している『メン・イン・ブラック』のウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズのコンビのような面白さがないです。西部劇の世界を舞台にしているのに、西部劇らしい対決シーンがないのも不満。CG映像はよくできており、金がかかっているのはわかります。それだけね。

公開されてすぐにノベライズ本(ブルース・ベスキ:著、北澤和彦:訳)が新潮文庫から発売され、映画では判りづらい心理描写や背景等を期待して読んだのですが、映画をなぞっただけ。アクションシーンを活字にしても全然面白くありませ~ん。

サントラと間違ってゲットしたCDも、西部劇らしくないラップ音楽ばかりで途中で聴くのをやめちゃった。

ちなみにテレビ西部劇『ワイルド・ワイルド・ウエスト』は、アメリカでは1965年~69年に放送(4シーズン)され、日本では『0088/ワイルドウエスト』の題名で、フジテレビ系列で1965年にシーズン1が放送されました。西部劇ブームは去っており、ジャンルとしての魅力がなくなっていたので、当時ブームだったスパイアクション風の題名にしたのでしょう。政府直属の“隠密ガンマン”が時代の先端をいく装備・新兵器がセットされた蒸気機関車の本部から出動し、悪の組織を粉砕するウエスタン調007というのが謳い文句。だけど、どっちつかずで日本ではヒットせず、私もリアルタイムでは未見で~す。