今週は西部劇

西部劇パーフェクトコレクションの『荒野の覆面男』(1946年/監督:ジョセフ・ケイン)を観る。無法者と酒場の歌姫の恋物語です。

ゴールドラッシュのカリフォルニア、弟が殺されても法が整備されてなくて犯人が罪にならなかったことからジョニー・バレット(ウィリアム・エリオット)は、昼は賭博師、夜はスパニッシュ・ジャックと呼ばれる覆面の盗賊になります。ソノーラ地方で金を運ぶ駅馬車がスパニッシュ・ジャックによって頻繁に襲われ、保安官(ユージン・パレット)が罠をかけますが、裏をかいて襲撃に成功。ジョニーは酒場の歌姫ベル・マローン(コンスタンス・ムーア)と愛しあっていますが、襲った駅馬車にベルが乗っていて、ベルはジョニーの正体に薄々気づきはじめます。保安官は自警団の中にいるララミー(ジャック・ラルー)がスパニッシュ・ジャックへの内通者と気づきますが、ジョニーはララミーを連れて逃亡。逃げる途中で金を採掘している若者サム(ハンク・ダニエルズ)の小屋で食事の世話になります。ララミーがサムの金を奪おうとしますが、ジョニーはララミーに味方せず、サムに殴り倒されたことからジョニーを裏切ってララミーはひとりで逃走。しかし、保安官に捕まり……

この後、ジョニーはサムと友人になりますが、サムがベルに恋するようになり、ベルをめぐる恋の駆け引きが展開。そして、サムがスパニッシュ・ジャックとして保安官に逮捕され、ジョニーはサムの無実をはらす必要が出てきます。最後は、ウーン。

B級西部劇ですが、意外としっかりした作り方をしています。コンスタンス・ムーアが歌う酒場シーンが多く出てきますが、なかなか豪華なセットです。コンスタンス・ムーアは元々歌手だったので、彼女が歌うシーンをメインにしているところがあり、銃撃戦はついでといった感じですな。

児玉数夫氏によるとウィリアム・エリオットは、ゴードン・エリオットの名前でデビューしましたが、1938年の『ワイルド・ビル・ヒコックの大冒険』でウィリアム・S・ハート以来の適役と絶賛され、ワイルド・ビル・エリオットに改名。その後、B西部劇の“レッド・ライダー”シリーズで人気を得た後、この『荒野の覆面男』からB級西部劇に主演するようになりウィリアム・エリオットと改名したとのこと。ビル・エリオット時代の作品を未見なので何とも言えませんが、同じようにB級西部劇に主演していたジョエル・マックリーやランドルフ・スコットと比べるとモッサリしていて颯爽としたところがありませんな。