実録ものだが

西部劇パーフェクトコレクションの『復讐の六拳銃』(1941年/監督:レイ・エンライト)を観る。実在のアウトロー、ヤンガー兄弟の物語です。

南北戦争が終わり、コール(デニス・モーガン)・ボブ(ウェイン・モリス)・ジム(アーサー・ケネディ)のヤンガー兄弟は故郷のミズーリに帰って来ますが、悪徳銀行家のメリック(ビクター・ジョリー)が税金の払えない農夫たちから差し押さえという形で土地を奪っています。メリック配下のビルソン(ハワード・ダ・シルバ)は、メリックのやり方に抵抗している兄弟の父(ラッセル・シンプソン)を殺害。兄弟に保安官殺しの濡れ衣を着せ、保安官となって兄弟を追跡。兄弟はメリックの金を運ぶペティボーン(ウォルター・キャトレット)を駅馬車や鉄道で襲い、奪った金を税金の払えない農夫に施します。ジェシー・ジェームス(アラン・バクスター)と一緒に強盗稼業をしていましたが、ジムの恋人メアリー(ジェーン・ワイマン)が兄弟の一味ということでビルソンに逮捕され……

物語は殆どフィクション。仕方なく無法者になり、民衆に支持され、復讐も直接手をくださず、結末も明るいものとなっています。追跡シーンや牛のスタンピード、銃撃戦などの西部劇アクションに、ジムとメアリーの恋模様、コメディリリーフ的なペティボーンの存在など娯楽西部劇のツボを押さえた楽しめる作品です。ウェイン・モリスは、西部劇パーフェクトコレクションに収録されていた『テキサスの拳銃兄弟』ではコール・ヤンガーを演じていましたね。