未見だったというだけ

西部劇パーフェクトコレクションの『決闘の黒幕』(1953年/監督:ウィリアム・ボーダイン)を観る。クォーターホースの調教とレースにかける少年の物語。

野生馬を調教していた父親が落馬して死に、牧場を奪われた若者ビル(チャック・コートニー)は、叔父の助けを求めてきた町で決闘に巻き込まれて負傷します。賭博師のマット(ドナルド・ウッズ)が決闘で倒した相手がビルの叔父で、ビルは叔父の銃弾をうけたのです。ビルはマットの妻ケイト(カレン・モーリー)の介護で完治。マットはビルをグラント(ランド・ブルックス)に預け、西部で最速のクォーターホース“ブルーチップ”の調教を任せます。ケイトに乱暴しようとしたローパー(グレン・ストレンジ)を空の拳銃で脅して撃退したことからビルはローパーに狙われ、グラントの隣人マーシャル(レイフ・エリクソン)の牧場にブルーチップと一緒に避難。ビルは、「ブルーチップは私の馬」と言ってきたマーシャルの姪ジェリー(ドロレス・プレスト)と喧嘩しながらも仲良くなります。ブルーチップは元々マーシャルの持ち馬で、ビルの叔父が調教していたんですな。ギャンブルに勝ったマットがマーシャルから取り上げ、ブルーチップをめぐってマットと叔父が決闘になったことがわかります。ブルーチップはレースの本命馬でしたがマットは対抗馬に金を賭けており……

マットが悪い奴で、酒場女と浮気してケイトに暴力をふるったり、グラントとローパーを使って駅馬車強盗をしたりと悪事の黒幕。ブルーチップを速く走れないようにするんですが、そんな障害をものともせず、ビルとブルーチップは優勝します。かつてはケイトとマーシャルが恋人同士という関係が絡むというゴタゴタした物語。モタモタした演出で歯切れが悪く、役者にも魅力がなく、退屈な作品で~す。