B西部劇二本立て

西部劇パーフェクトコレクションの『正義のカウボーイ』と『平原の嵐』を観る。B西部劇二本立てで、これで最後です。

『正義のカウボーイ』(1947年/監督:ウィリアム・バーク)は、町中の土地を支配しようとする悪党と戦うカウボーイの物語。

投資事業を行うために3万ドル持った銀行家スタントンが乗っている駅馬車を襲撃する二人組を、幌馬車の護衛をしていたボブ(ジェームズ・ウォーレン)と相棒のチート(ジョン・ロレンツ)が追い払います。二人組は町を支配するカーター(レイモンド・バー)の手下で、カーターは鉄道がくることを知っていて牧場主の土地を買い占めており、スタントンが牧場主に投資することを恐れていたのね。ボブの牧場も狙われていましたが、スタントンの融資を受け……

後年、『ペリー・メイスン』や『鬼警部アイアンサイド』で真実を追求する正義漢を演ずるレイモンド・バーが若き悪党役。汚れ仕事は自分で手をくださず、部下にやらせるという悪知恵の知能犯。ゼーン・グレイの原作をテンポよく展開し、悪党にも魅力があったので、それなりに楽しめました。

 

『平原の嵐』(1950年/監督:レスリー・セランダー)は、羊飼いと牛飼いの紛争に巻き込まれたカウボーイの物語。

デイブ(ティム・ホルト)と相棒のチート(リチャード・マーティン)は、仕事を求めてサンダウンの町へ行く途中で羊飼いたちにリンチされそうになっていたドーソン(ケネス・マクドナルド)牧場のカウボーイを救出。ドーソンはマーヴィン牧羊場の牧羊頭ローリンズ(ビル・ケネディ)に狙われますが、デイブたちが助けます。ローリンズは女主人(ノリーン・ナッシュ)の目を盗んで羊を売っており、羊が盗まれたことにしてドーソン牧場と紛争をおこそうとしていたんですな。デイブはローリンズの企みに気づき……

主演のティム・ホルトは、ジョン・フォードの『駅馬車』(騎兵隊将校役)や『荒野の決闘』(ヴァージル・アープ役)に出演していますが、数多くのB西部劇に主演したB西部劇スターといえます。1941年~43年まで、ウエスタン・マネーメイカーのトップ10に名を連ねています。メキシコ人の相棒(名前もチート)がいて、相棒には結婚を迫る彼女がいるというのは『正義のカウボーイ』と同じ設定。酒場では歌と踊りのショーがあるというのも同じね。テレビが普及するまではB西部劇がめったやたらと製作されていたので似たような作品が多いで~す。