週に一度は西部劇

『新・明日に向かって撃て!』(1977年/監督:リチャード・レスター)をBSシネマで再見。ブッチ・キャシディサンダンス・キッドと知りあい、二人が一流の強盗になるまでを描いた『明日に向かって撃て!』の前日談。

服役中だったブッチ(トム・ベレンジャー)がブレッドソー保安官(ジュフ・コーリー)のはからいで出所するところから物語は開始。二度と悪事を働かないというのが条件なのですが、「あんたが管轄するエリアではね」と呆けて答えるユーモアのセンスが、その後の展開にも随所に見られ、この作品を愉しいものにしています。ブッチはカジノでの強盗に失敗したサンダンス(ウィリアム・カット)に一緒に仕事をしないかと持ちかけます。ブッチの隠れ家は、昔の仲間だったO・C・ハンクス(ブライアン・デネヒー)に占拠されていましたが、O・Cを追っていたブレッドソー保安官がO・Cを捕らえます。O・Cはブッチがチクったと思い込み、ブッチへの復讐のため脱走。一方、ブッチとサンダンスはカジノの金を奪うことに成功し、有名になることを目指して一直線……

職人監督のリチャード・レスターらしく、爽やかな青春映画に仕上げています。主演の二人がピッタリはまっていますね。銀行強盗やラストの列車襲撃は、少し無理筋ではあるものの、これまでの西部劇になかった新手で楽しめます。紐で吊るしたビンを使った早撃ち練習とか、ブライアン・デネヒーとの決闘とか、西部劇らしいガンプレイも見られ、よく出来た西部劇です。『明日に向かって撃て!』のキワモノ作品と勘違いされ、損をしていますな。公開当時、『夕陽の挽歌』とか『モンテ・ウォルシュ』といった“たそがれ西部劇”が続いていた後だったので、陽気な青春西部劇に気分爽快になりましたよ。

パトリック・ウィリアムズの音楽は劇伴としては悪くないですが、今イチ印象に残るものがありません。「雨にぬれても」のような挿入歌が欲しかったなァ。