先週に続き

録画していた『第三の悪名』(1963年・大映/監督:田中徳三)を観る。宿敵カポネと対決するシリーズ5作目。

死んだ貞の妻・お照(藤原礼子)の家に居候していた朝吉(勝新太郎)は、清次(田宮二郎)から自分を捜している人物がいると聞かされて因縁のある松島遊郭へやってきます。捜していたのは軍隊時代の上官だった粟津修(長門裕之)。修は粟津一家の二代目でしたが、修を堅気にしたいと思う先代の後妻・お妻(月丘夢路)が二代目を襲名。朝吉は松島一家でヤクザになっている修から、あこぎなカポネ(南道郎)一家と一戦交えるので協力を頼まれます。しかし、お妻から修のことを聞いていた朝吉はお妻の意をくみとり、修の申し出を断り、カポネとの対決のために別行動。朝吉がカポネの経営するキャバレーに乗り込むと、清次が支配人をしており……

カポネが『続・悪名』の藤山浩二から南道郎に代りましたが、どちらにしてもカツシン・田宮相手では役不足。松島一家の先代元締は亡くなっており、新たな元締となったのは西村晃。利用価値がなくなった長門に見切りをつけるのは、『続・悪名』で元締だった中村雁治郎と同じ行動ですが、端から陰険さが顔に出ており、中村雁治郎のような底の知れぬ怖さはありません。長門裕之の修に物語の重点を置いたため、田宮二郎の清次の出番が少なくなったのが残念で~す。