週に一度は西部劇

友人に送ってもらった『ゴッド&ジェネラル 伝説の猛将』(2003年/監督:ロナルド・F・マクドナルド)を観る。南軍の名将ストーンウォール・ジャクソンを中心に描いた南北戦争史劇です。

物語は、リー将軍ロバート・デュバル)が陸軍省長官から北軍の司令官になるように言われ、断るところから始まります。リーは故郷のバージニア北軍が進行するのは侵略と考え、郷土愛から辞職して帰郷。バージニアレキシントンにある士官学校の教官だったジャクソン(スティーブン・ラング)は、南北戦争が始まると准将としてバージニア第2・第4・第5・第27・第33歩兵連隊(ジャクソン旅団)を任されます。1961年7月21日、マクドウェル率いる3万2千の北軍が南下し、ポーリガード率いる2万8千の南軍が迎えうつマナサスの戦いでジャクソン旅団は頑強に抵抗。直立不動で指揮するジャクソンを見て、“石の壁”のようだと兵士たちは勇気づけられ、南軍は反撃し、北軍は総崩れとなります。ストーンウォール・ジャクソンのあだ名の由来です。

1962年、ジャクソン旅団はリー将軍の指揮下に入り、北バージニア軍第2軍団として北軍相手に激闘。12月11日から15日にかけて行われたフレデリックスバーグの戦いは南軍の圧倒的勝利。バーンサイド率いる北軍11万4千に対してリー将軍の南軍は7万2千。北軍はラッパハノック河を渡り、フレデリックスバーグの町を占拠(南北戦争の最初の市街戦)しますが、町の背後の高台に布陣する南軍に正面攻撃をかけ、大敗します。

1963年4月、フッカー率いる7万の北軍は南軍との正面攻撃を避け、チャンセラーズヴィルに集結。これに対するリー将軍率いる南軍は3万5千。5月2日、2万6千のジャクソン軍は北軍に知られていない間道を通って北軍右翼に奇襲をかけます。北軍は夕食と余興の真っ最中。南軍にとって輝かしい勝利となったのですが、司令部に帰還中のジャクソンは北軍騎兵隊と間違われて味方の銃弾をうけます。この傷がもとでジャクソンは肺炎を誘発し、5月10日に死亡。ジャクソンの死をもってこの映画は終わります。

南軍が勝利したマナサス、フレデリックスバーグ、チャンセラーズヴィルという主要な戦いを描いた上映時間219分の大作。戦力面で劣る南軍が、侵攻する北軍を撃退するという構図です。リーもジャクソンも奴隷制度に賛成しているわけでなく、郷土愛のために戦っているんですな。ジャクソンの「北軍が負けても大統領が変わるだけだが、南軍が負けたら故郷を失う」という言葉に表されています。ロシアの侵攻を受けているウクライナのようね。リンカーンリッチモンドを陥落させて、早期に決着がつくと考えていたようですが、彼らの郷土愛は想定外だったのでしょう。リンカーンには、“奴隷制度廃止”という大義がありましたが、プーチンには何にもない!

長い作品ですが、大半が戦闘シーンで、その物量に圧倒されま~す。