たまには読書

宝田明:著(構成:のむみち)の『銀幕に愛をこめて ぼくはゴジラの同期生』(ちくま文庫:2023年1月10日第1刷発行)を読了。2016年3月23日、24日に行われたインタビューでの宝田明の語りを採録。背景説明をのむみちが執筆。満州時代の生い立ちから始まり、体験的演技論までを語り尽くしています。

東宝六期生として入社。同期生には、岡田真澄藤木悠佐原健二河内桃子がいます。1954年の『かつて自由の鐘はなる』でデビュー。この作品には、無名時代の仲代達矢も出演していたとのこと。3作目の『ゴジラ』から主演スターになります。翌55年の『雪の炎』で司葉子と共演するのですが、司は宝田が最も多く共演(全部で32本)した女優。56年には『大暴れチャッチャ娘』で初めて映画の中で歌を歌い、歌えるスターとして認められ、使い勝手のよいスターとして57年には15本の作品(年間最多)に出演。

64年からミュージカルの世界に足を踏み入れます。きっかけは、江利チエミ菊田一夫に宝田を勧めたこと。ひばり・チエミ・いづみの“三人娘”シリーズで共演した宝田は、チエミから「いつか一緒にミュージカルをやりましょう」と言われていたんですな。東京に移ったばかりの頃、東京でないと観られないということで、私は何本かミュージカルを観ていますが、その中に宝田が出演していた『リトルショップ・オブ・ホラーズ』があります。

テレビには58年から単発に出演していましたが、67年の『平四郎危機一発』で連続ドラマ初主演。レギュラー出演した『五人の野武士』では馬に振り落とされて踏まれた経験を語っていま~す。